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アダルトチルドレンの対人恐怖からの回復
~「人が怖い」「怒られるのが怖い」というあなたへ~
「アダルトチルドレンの対人恐怖」から解放されるには、
特別なセラピーが必要と考えています。
アダルトチルドレンの癒しの取り組み方のほかに
アダルトチルドレンの癒しの取り組み方
1.まずは、安心できる場所、安心できるセラピストを見つけましょう。
AC(アダルトチルドレン)のこと、愛着関係のこと、トラウマの癒し方など熟知しているセラピストが良いでしょう。
(親友や恋人には、トラウマの傷は大きすぎて受け止めるのは大変です。親友や恋人とは、リラックスした楽しい時間を過ごしてもらいましょう。アドバイスをしてくれる人ではなく、泣いている自分を黙って受け止めてくれる人がいいですね)
2.取り組みは、まずは自分に何が起きていたのかを知っていきます。
「自分が悪いんじゃない」という認識ができるようになるといいですね。
多くの方が、苦しいとさえ感じていなかったり、自分の性格が悪いから怒られたのだと思っています。
3.感情を取り戻す。

誰かが怒鳴ったり、怒ったり、チクチク嫌味を言ったり、人の悪口や愚痴をいっていたりというのを聞いていることは、子どもにとってはとても辛いことです。
例えば、大好きな母親の悪口を父親や祖父母から聞かされる子供は本当に苦しいものです。
だから母親が悪く言われないために必死で母親をかばい、いい子でい続けようとします。
そういう機能不全家族の中で生き抜いていくなかで、いつの間にか自分の感情を抑え込む癖がついてしまいます。大人になった今、コミュニケーションが苦手なのも、感情が感じられなかったりしているからなのです。
ですから、感情を感じても大丈夫、表現しても大丈夫という考え方ができるようになって、実際に感情を表現できるようになることは、癒しをしていくうえでも、他者とのコミュニケーションをしていくにも大切なことです。
4.心の苦しさを語り尽くす(傷つき体験を語りつくす)
心や感覚にしみ込んだ苦しさを、一つ一つ言葉にして出していきます。
癒し初めは、「なんか、モヤモヤする」としか表現できないのが普通です。
幼少期の記憶も断片的にしか思い出せない人もいます。
だから自分が何者なのかわからない、良好な自己イメージが持てないのです。
それは、いつも人の顔色や機嫌に気を取られ、それに反応することが自分の安全を守る方法でしたから、自分のことは二の次三の次になってしまっていました。
そうすることで、その時その時の苦しさに翻弄されずに生き抜けるからでした。
ですから、「苦しい」と感じてもいいことさえわからなくなっています。
そういうAC(アダルトチルドレン)の方は、職場でも「怒られやすい人」になっている可能性が高いです。
ですから、トラウマの癒しのみならず、安心した人間関係を作るうえでも、人生においても、ここは回復しておかなければならないところです。
言葉にならないモヤモヤを、ちゃんと言葉で語れるようになってくると、かなり心も軽くなるものです。
5.ネガティブな感じ方を解き放つ
「自分の存在を否定される」感じや、「嫌われる」「受け入れてもらえない」などの感じ方、考え方の癖を、もっと楽な感じ方、考え方に変えていきます。
長年感じてきたものですから、そしてそう考えることで自分が傷つき過ぎるのを防いできたのですから、今日の明日で変われるはずはないのですけれど、ここはじっくり取り組みましょう。
「受け入れられている自分」をわかっていくには、時間と仲間が必要です。
人との関わりにも慣れていきます。
例えばオフィスTのグループセラピーでは、まずは場所になれる、人に慣れることから始めます。
そしてまずは1年かけて、AC(アダルトチルドレン)のこと、家族の機能不全のこと、トラウマのこと、対人恐怖のこと、認知行動療法やコミュニケーションや人間関係の持ち方も、体験を通して学んでいきます。(癒しに焦りは禁物です。あなたが育ちなおす大切な時間ですから。)
6.さらに磨きをかける
癒しを初めて1年もすると、自分のことについても、家族のこともかなり客観的に見ることができるようになってきますし、職場での感じ方も変わってきます。
ですので、もっと自由に自分を生きられるように、マインドフルネスを取り入れた体験型のグループで、自分を磨きます。
7.自己肯定感を育む
癒しが進んできて、自分の家族がどうなっていたのかなど、真実が見えてきて、本当の意味で、家族の在り方を認められるようになります。
それは同時に自分のライフストーリー(自分史)がつながってきたということです。
恨み、つらみ、憎しみ、怒り、悲しみと淋しさ、様々な感情が渦巻いていたのがだんだんと落ち着いてきて、穏やかになってきます。
それは、過去との和解ができてきたということです。
どうしても許せない虐待というものがあったとしても、自分が悪い、自分のせいという自分を責める気持ちが和らいできます。
自分の過去を受け入れ未来へと進んでいけるようになります。
「私はOKだ」と思える日が来るのです。
「人が怖い」「怒られるのが怖い」という
アダルトチルドレンの対人恐怖からの回復には、
特別なセラピーが必要と考えています。
辺縁系セラピー
そもそも、生まれて最初に育みたかったのは「基本的安心感、信頼感」です。
そこからうまくいかなかったのがAC(アダルトチルドレン)の苦しさです。
それは「愛着の問題」を抱えているということです。
愛着の形がどのようになっているかによって、対人関係(子育ても含みます)だけでなく、ストレス耐性や、健康にも影響をおよぼします
AC(アダルトチルドレン)の皆さんは「抱っこされた記憶がない」、「ほめてもらったこともない」と言います。こうしたお母さんに抱っこされたり褒められたりということが、子どもの成長や健康にも大きく影響をもたらすのです。
というとき・・・
AC・アダルトチルドレンの方々には、こんなことが起きています。
~心の迷走状態~
たとえば…
それは、体を動きやすいようにするためです。(闘争か逃走)のためです。
これは、厳しい自然の中で生き抜くための自然な反応です。
現代社会では、人間関係などがストレスとなっています。
AC(アダルトチルドレン)の方々は、こういう状態だといえます。
家庭の中で虐待や緊張が立て続けに起きていたとすると、常にストレスにさらされています。
*海馬:記憶を司り、感情にも関わっています。
過去の怒られたこと、叱責が記憶に刻まれて、「また明日も怒られるかもしれない」という思い(思いグセ)ができてしまうのです。こうした心の迷走(マインドワンダリング)が起こります。
AC(アダルトチルドレン)の方々が、「人が怖い」「怒られるのが怖い」というのは、まさにこの状態です。
すると緊張が高くなりさらにコルチゾール(ストレスホルモン)が出てきて・・・という繰り返しです。
「家でリラックスしたことがない」と多くの方が言われますが、うなずけますね。
ですから些細な刺激にも反応しやすくなって、コルチゾールがどんどん出てしまうのです。
さらに、マインドワンダリング(心の迷走)の状態だと、あれこれと気になって集中できず、「怒られるのじゃないか」とそればかりが気になって、目の前の仕事がおろそかになったり、はかどらなかったり、約束を忘れてしまったりとなってしまうのです。
ですから、あなたが「だらしない性格」なのではないのです。
子どものころの虐待体験は、脳に影響を与えるのです。
安定した愛着を持つ人は、ストレスにも強く健康的、対人関係も良好なのは、安心を感じさせるホルモンが出やすいからなのです。
それは、オキシトシンというホルモンです。
AC(アダルトチルドレン)/虐待やネグレクトにさらされてきた人は、そのオキシトシンの受容体がそもそも少ないためオキシトシンの働きが悪く、ストレスにも弱くなってしまうのです。
今は様々な研究から、AC(アダルトチルドレン)の生きにくさには、こういった脳の働きやホルモンが大きく関与しているとわかってきています。
ですから、愛情ホルモンとも言われるオキシトシンを増やすようなワークやセラピーがとても重要なのです。
それには、「安心なかかわり、ふれあいを、体験すること」 が効果的!
辺縁系セラピー
例えば、AC(アダルトチルドレン)の方は、人と歩くときにも、一緒に歩く人との距離や、スピードを合わせることが自然にできなかったりします。早すぎたり、近すぎたり、離れすぎたり・・・
これも仲良くなっていくのを阻む一つの要因になってしまいます。
これは、単に緊張というより、体に刻まれた「恐怖の感覚」があるからです。
そしてそもそも、最初の人間関係である親との関わりの中で、「安心して関わる」を体験し学ぶことができなかったからです。
身体的にも同調したと感じて、つながりと喜びの感覚を味わうんです。
AC(アダルトチルドレン)の多くの方は、子供の頃、お母さんと遊んだ記憶がないのです。
だから親と一体となる感覚がなかったことで、安全感、安心感を得ていないのです。
さらに、怒鳴るとか、叩くとか、無視をされるなどの機能不全(=マルトリートメント/不適切な養育)があると、脳の一部がうまく発達できなくなってしまうなど影響が出る(海馬が委縮するなど)と昨今の脳の研究からも分かってきています。
例えば、海馬が委縮して容量が小さくなると、ワーキングメモリ―(短期間情報を記憶して処理する能力)に影響が出て、それで、忘れ物やミスが多くなり、余計に怒られると言うことが考えられます。
また、ACの方々の脳の中では、常に警戒警報が鳴っていてストレスホルモンに晒されています。ですから緊張感が強いのです。
ACは、安心感を学ぶ前に、恐怖を覚えてしまったということです。
ですから、その脳に刻まれた恐怖の感覚に向けてワークする必要があります。
だから 脳の辺縁系に向けてワークするのです。
大脳辺縁系は、情動の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動に関与していて、生命維持や本能行動、情動行動に関与し、海馬と偏桃体はそれぞれ記憶の形成と情動の発現に大きな役割を果たしています。
だから、
ここでは、楽しいを一杯味わっていきます。
例えば、お母さんのお手伝いをしながら一緒にご飯を作る。お掃除をする。おかたづけをする。
お買い物に行く。ボール遊びをする。公園で遊ぶ。ブランコを押してもらう。
滑り台で勢いよく滑って来たらお母さんに受け止めてもらう。
なんて楽しいことなんでしょう!
お父さんとお母さんの間で、手をつなぎ、ぶら下がって「ぶーわん」してもらう。
なんて安心で楽しいのでしょう。
そんな関わりの中で子どもたちは、
- リズムを学びます。
- 受け止めてもらえる安心感を学びます。
- 人との距離を学びます。
- どのくらいの力で投げたら、お母さんのところにボールは飛んでいくのか、ちから加減や距離、タイミングを学びます。
- 「○○ちゃん!いくよ!」ってボールを投げるタイミングで呼び掛けてもらうこと。
これはとってもうれしいことですね。お母さんに注目されている!お母さんが自分にボールを投げてくれる。
自分は関心を持たれている。自分はこの家族というチームの一員なのだと感じること。
だから自分も「お母さん!いくよ!」って、自然に、安心して、自分も投げるときに声をかけることができるようになるんですね。お母さんは受け止めてくれると確信できているからです。
そんな当たり前のことと思うでしょうけれど、そういう関わりを通して、自分が受け入れられていること、お母さんはいつも自分を見ていてくれるんだという安心感や信頼感(これが対象恒常性=安全基地)、それが人生の基礎にあってはじめて、自分の力を発揮して行けるようになるのです。
これらがACの方には足りていなかったんです。だからうまく人と関われないのですね。
これがとても大事だったんです!!
だから、私たちも、いっぱい遊びます。
グループセラピーでは、
- 紙風船やボールを使ったワークをします!
- 近くの自然あふれる公園で、マインドフルネスやお散歩ワーク!
清里ワーク(インナーチャイルドワークin清里)では、
- ソフトクリームを皆で食べたり、
- 雪の中で、雪合戦やソリで遊びます。
そして、さらに、辺縁系に向けてワークしていき、
体の中で感じる不安や恐怖、悲しみや孤独の耐え難い痛み(内臓反応)にふりまわされないようになることも目指します。
(多くの方が始めは、感じていてもその苦しさに悩まされていることに気づいていません)しかしそれが回避行動を作り出します。
例えば、何かしようとするたびに、たとえ電話一本かけるにも気が重くて、気楽にかけられない。
メールの文章を作るのも、時間がかかってしまうのです。
さらには、様々な素晴らしい体験をも妨げているのです。怖さから解放されるには、この感覚を恐れないでいられるようになる事が肝心なのです。
そのために、マインドフルネスをフルに使います。
- 呼吸法や、
- 感じる練習、
- 言葉にする練習など
現実を変えていく。
大事なワーク: グラウンディング・ワーク(地に足をつけるということ)
癒しで肝心なのは、トラウマの傷みから解放されるだけでなく、現実が変わること。
日々の生活(仕事も、人間関係も)の質(QOL)が高まることです。
自分の体の中にいられるようになる事です。
虐待(マルトリートメント)を受けてきたACにとっては、自分の体さえ自分のものとして大事にできなかったのです。
そして生き延びるために、感覚を感じないようにする癖ができてしまっています。
ですから、安心して今を味わえるようになることも大事なテーマと考えています。
そうやって、自分の望む人生を築いていってください。
本来味わえたであろう安心感や楽しさを、様々な体験(ワークや遊び)を通して、味わっていきます。そして自然に笑ったり、寄り添ったり、喋ったり、自分を大事にできるようになることを目指します。
あなたが楽になれますように・・・セラピストは全力で力を尽くします。
その生きづらさ、苦しさは、あなたのせいではありません。
その傷みは、アダルトチルドレン(家族トラウマ)ゆえの傷みかもしれません。
そして解決の道はあるものです。