

皆様、こんにちは。オフィスTヒーリングセンターの外川(とのかわ)です。
オフィスTヒーリングセンターでは、ACの方々の生きづらさからの回復に取り組んでおります。
ACというのは、「Adult Children(アダルトチルドレン)」の略語で、機能不全家族で育ち、成人した今も「人が怖い」、「コミュニケーションが苦手」などの生きづらさを抱えた方々を意味します。
元兵士の子供たち

先日、NHKの番組で戦争に行った父親からの暴力の話がありました。
ご覧になられた方もいらっしゃるのではないかと思いますが。
家もそうでしたね。
私たちが小学生のころ、父はよく戦争の話をしました。
自慢話です。
そして番組でも話されていたように、お酒を飲むと暴力がでました。
私はかねがね不思議に感じていました。
終戦というのは1945年、私が生まれたのは1952年、戦争が終わってたった7年後です。姉が生まれたのはその2年前ですから戦争が終わって5年です。
両親が結婚したのは戦争から帰って4年、それも職場で出会い、恋愛結婚ですよ。
人間ってすごいなと思います。たった4年で、生活は大きく変化するのです。
しかし、ですから、戦争中に受けたであろう「心の傷」は、子どもも生まれ、住む家も持ち、平和になってから表れるのでしょうね。
高度成長期といわれ、父親もモーレツに働いていたと思います。
あの頃はよく接待ということをしていて、毎晩のように午前様。
商談がうまく進んだときは高級なお寿司屋さんのお土産を持ってご機嫌で帰ってきます。
私たちも夜中でも起こされて、お寿司を「おいしい、おいしい」と喜んで食べました。
でも、仕事がうまくいかないときはひどいものでした。
母は私たちに「早く部屋へ行きなさい!」と言い、酔っぱらいの父をなだめすかして寝かせるのが大変でした。
母が殴られやしないかと、いつもひやひやしていました。
そして、接待のない日は夕飯を一緒にしていましたが、時には「ちゃぶ台返し」というけれど、ちゃぶ台をひっくり返すのです。
それでも気が済まなければ、子どもたちも殴られる。何が気に障ったのか分かりませんが、いきなり機嫌が悪くなるのです。
ある日、何が原因なのかわからないけれど姉がひどく殴られて、私はそんなに殴ったら、「死んじゃう死んじゃう!」と父にとびかかったことがあります。それは私にとって大きなトラウマとなっています。
父が年老いて介護となったとき、弱っていく父に言いました。「あれはひどかったと、今も許せないと。」
そして父が亡くなったとき、「ほっ」としたのを覚えています。
番組の中でも「親が亡くなり、今になってようやく、ご自分の苦しさについて語れるようになって、」というお話がありました。
私もすごく自由になった気がしました。
クライアントのおひとりAさんが話されるには
今も、「何もしていないのに不安になる」と、言います。
幼少期のトラウマに苦しんで、癒しを続け、たくさんの取り組みをして、今はやっと自分が選んだ道を歩き、自信も出来てきたのに、ふとした時、特に職場があるビルに入っていくとき、「こんなことをしていていいのだろうか?」と、叱られるのじゃないかと、不安になるといいます。
親の思通りの道を生きていない。悪いことをしているという気持ちがよぎってしまうのです。
Aさんは今ではファッション業界で立派にお仕事をされているのですが、「こんなチャラチャラした仕事」と感じてしまいます。
親の口癖は、「つらくてナンボ、苦しくてナンボ」「お金は、苦しさの対価として得るものだ」というものでした。
そして、親の意に反すると、殴られていました。些細なことでも殴られました。
ですからAさんは、「自分はそもそも殴られる存在」「怒られる存在」と思ってしまうのです。
それが今もときどき、顔を出します。
自分は何も悪いことはしていないのに、「上司に叱られる」と思ってしまいます。
そしてとても怖くなるのです。
(今はご自分が上司という立場になられているのに、誰かから怒られる気がしてしまうのです。)
この感情は、幼少期のトラウマからくるもので、殴られる恐怖。
これは感覚に残っているので、いくら頭で「そんなことはない」と思っても、体に現れます。これが苦しいのです。
ACと戦争の関係

AC(アダルトチルドレン)や共依存というのも、そもそもアメリカでベトナム戦争から帰ってきた兵士(父)の心の傷、戦争トラウマ、そして家族への暴力ということから、機能不全家族というのが見えてきたわけです。
今、ACとして苦しんでいらっしゃる方々も家族の歴史を語っていくと、父親あるいは祖父の時代に当然「戦争」という時期があります。
確かに国のために、妻や子供のために戦って過酷な環境の中で心が傷ついて、苦しんでいるのは元兵士たち。
しかしその陰で、わけもわからず殴られて、自分が悪い子だからと自分を責め続けてきた子供たちや妻たちも、癒されるべき存在です。
そして、苦しさは世代を超えて伝播していきます。
Aさんも自分がされたように、思い通りに動かない子供に「憎らしい」と感じた自分をすごく責めています。
それも悲しいことですね。
ですからご自分を責め過ぎず、ご自分の苦しさを癒してあげる取り組みをされるといいと思います。
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どうぞお一人で苦しまず、一度ご相談いただければと思います。
お気軽にご相談ください。

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ぜひ、カウンセリングであなたの苦しさについてお聴かせください。